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心身を調節し統合するセラピー

発達障害は障害だから病気なの?

2020年4月19日 by Posted in: セラピー


発達障害はなぜ障害だから病気なのか、昔から、多動の子も、変わった子どもはいてたじゃないか。診断は、障害というラベルを貼っているだけではないのか。

そのような疑問をよく耳にする。

資料を探してみた。やや古い資料ですが、わかりやすかったので紹介します。

榊原洋一 「落ち着きのない子」は病気か、ADHD LD 自閉 多動てなあに?、

労務教育センター、4-11頁、2003

脳炎後遺症の多動症状は20世紀はじめのイギリスで知られていた。

人の病気には何らかの原因があるが、多動のこどもの脳からはっきりとした病変は見つからなかった。

19世紀はドイツの病理学が世界の医学を牽引したが、ヨーロッパの伝統に縛られない実利的な考え方の強いアメリカでは、病因がはっきりしなくても、共通の症状や検査データを組み合わせて、症候群とよび、その治療法を検討する考え方を広めていった。

アメリカ精神医学会では、頻度の高い精神疾患を網羅する診断基準をつくり上げていった。

DMSⅢで1980年に採用された多動の診断基準は、多くの世界中の研究者をほぼ満足させるものだった。

注意欠陥多動症は、障害と決め付けているけれど、それは病気か。典型的な病気は、通常苦痛や不快感を伴う自覚症状と、健常な人には見られない異常所見が見られたち異常な病理所見が見られるものだ。

統合失調症やうつ病には、本人の症状以外に診断を確定する検査法がない。しかしその症状は、健常の人には見られないものであり、うつ病などは本人もそのことが自覚できる。

多動性障害は、本人に自覚症状がなく、往々にしてしかられてばかりの問題児だという低い自尊心を持っているといわれている。そのうえ、多動障害には、異常検査所見がない。

脳波は正常である、CTでも小さな変化は認められるが、それは正常範囲の所見にあたる

傾向が認められる。といったもの程度のものでしかない。心理テストについても同様で、ある傾向は認められても、それが診断につながるわけではない。

多動障害の決め手は、診断基準を満たしているかどうかという一点である。個々の症状にはその程度が明記されていないために、同じこどもでも誰が診断したかによって、多動性障害と診断されたり、されなかったりするのだ。

しかし先進国アメリカでは、多動性障害は、独立した疾患概念であると胸をはって言い切る研究者が多い。その言い分は、多動性障害と診断されたこども達は、みな一様の臨床経過をたどり症状が軽症になり成人していく。診断基準にあいまいさがあるとしても、その診断基準で診断された子ども達が同様の経過をたどるということは、疾患概念がしっかりしたものであるいう証拠だといのだ。

第二の理由は、メチルフェニデート(リタリン)などの薬剤によって大部分のこどもの症状が軽快するということだ。その原因が、なんであろうと学校や家庭での生活や人間関係に支障をきたしているその多動性障害の症状がリタリンによって軽快するという事実が多動性障害が治療を要する状態であることを雄弁に物語っているというのである。


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